PHASE DANCE、夕暮れ時の建物の外観(ライトアップ)

PHASE DANCE

伊豆高原の木々に覆われた傾斜地に佇む別荘「PHASE DANCE」。印象的なこの建築は、廣部剛司建築研究所が設計を手掛けています。

事例概要

建築家

Takeshi Hirobe Architects

所在地

静岡
日本

デュラビットシリーズ

カテゴリ

計画地は、今まで一度も建築行為のなされることがなかった区画。何度か敷地を訪れるうちに一本のヒメシャラの大樹が、なかでも特別な存在感をもっていることに気付き、伐採せずに共存する方法を模索したという廣部氏。建築可能エリアの中央付近に位置していた樹木を残し、取り囲むように進められた三日月型の建物のプランニングは、環境との親和性を持ちながら建築と自然を共存させるものです。

一本の樹木を中心点とすることを考えながらも、少人数で滞在することが多いということも設計条件のひとつであったことから、あえてシンメトリカルにはせず、それぞれのスペースに居心地がよいと感じられるスケール感を自由に与えることを目指したと言います。

下層階には、広々とした一続きのスペースに寝室、ラウンジ、キッチン、ダイニング、リビングが配置されています。ラウンジの奥にはバスルームが配され、エレガントでありながらタイムレスなデザインのDuravit/Vero洗面ボウルがタイリングも美しいバスルーム全体の雰囲気にマッチしています。主にライブラリー/読書スペースとして構想された上層階は、下層階と同じフットプリントながら、屋根形状は三角形の形状を変えることで空間ボリュームを可変させています。

ヒメシャラの大樹を望む、上下両階層の各部屋の様々な角度の壁に沿って随所に誂えられた大開口からは、外部の緑と自然の光を内部へ取り込みます。

「PHASE DANCE(フェイズ・ダンス)」というタイトルは、プロジェクトを進行する上での意思決定の中で、さまざまなフェーズや側面にどのように対応するかというプロセスがダンスのようであったという感覚。月の満ち欠けを想起させる建物の三日月形。そして、ギタリストのパット・メセニーによる同名の曲の透明性とスピード感に触発され、名付けられています。

Photo by Koichi Torimura